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言葉を伝える練習帳。


by sumi
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もう書かれてた。

2週間近くもブログを休んでしまっていたけど、
その間、全然文章を書いていなかったというとそうでもなく。
小説というか、短編みたいなものを2つ書いた。
詩とか短い文じゃなくてそれなりにまとまった文章を書いたのはすごく久しぶり。

でも昨日、向田邦子の『阿修羅のごとく』を読んで、あれえ、と思ってしまった。
私がずっと書きたかったことがもう書かれてるなあ、と思ったから。

好きな作家はたくさんいるし、読むたびに何かしら感じるものはあるし、
読んでると書く意欲を刺激される本も多いけど、
本を読んでこんな事を感じたのは初めてだった。

『阿修羅のごとく』は小説ではなくて、ドラマの脚本だ。
厳密に言えば、脚本と小説はジャンルが違うけれど、
でももう書かれちゃってたなあ…という思いは、
ジャンルがどうこうのレベルじゃなかった。

別に今まで自分が、自分だけのテーマを描く、なんて
思ったりしてたわけじゃない。
どこにでもあって、大昔から腐るほど書かれてるテーマだけど、
それでも自分なりに感じたこととか、思ったこととか、
今はまだ書けないけど、自分だけの言葉でいつか書きたいと思っていた。
なのに、なんでそんな風に感じてしまったんだろう、
向田邦子の文章は彼女自身のもので、私の言葉ではないのに。

ちょっと困ったわ、と思う。
私が好きな作品はもっと別にあるし、すごいと思う作品ももっと別にあるし、
大感動するわけでもなく、普通に読み終わった作品だった。
にも関わらず、自分が書こうと思ってたモヤモヤした何かが
その本にははっきり描かれていた。

さて、じゃあ自分は何を書こう? と思った。
かといって、別に悔しくないし、落ち込むわけでもないし、
創作意欲が削がれてしまったわけでもない。
でも、もしそのテーマを、いま自分がいかにがんばって書いたとしても、
いまの自分の力ではその作品には及ぶはずもなく。。
どうしようかなぁ。
by sumi0313 | 2006-04-02 01:42 | ひびおもう