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言葉を伝える練習帳。


by sumi
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終わってねえ

久しぶりのブックレビュー。

久しぶりに最近夏目漱石を読んだ。
ああ、やっぱ好きだわ。この人。

今回読んだのは『明暗』。
彼の一番最後の作品。
そして未完。
漱石は結局それを完成させる前に死んだから。

終わりがない本というのはほとんど読んだことがなかったから(もしかして初めてなのかな?)、果たしてどうなるのだろうとドキドキしながら読んだ。

読み終えて、思わずもれた感想は「終わってねえーー」だった。
いや、なんか、そのまんまなんだけどさ。ほんと、そう思った。

小説なんて、いろんな結末がある。
最後の一文がこれかよ!ってつっこみたくなるのもあるし、いかにもラストって感じが強い終わり方もあるし、え、それで終わり?っていうものある。
だから話の終わらせ方ってすごく難しいし、その人のセンスや人柄が出てくるなと思うんだけど。
でも、いくらうなずきがたい終わりであっても、とにかくそれを書いた人が「これで終わりね」って言ってるのだから、それはそれで受け入れるしかないもので。

でも、この作品ばっかりはそうじゃない。
『明暗』が終わってる部分も、別にそれが結末なら結末でも別にいいかなという途切れ方なんだけど、本人が「終わりだ」って言ってないから、なんだかすごく納得がいかない。
でもじゃあそのあとどうなったんだろう?って想像しようとしても、私は想像できないし…

これが完成してたら、どんな本だったんだろう。
永久におあずけかぁ。。
by sumi0313 | 2006-11-25 20:22 | ほんよみ