言葉を伝える練習帳。


by sumi0313
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<   2004年 05月 ( 16 )   > この月の画像一覧

a0017830_192725.jpg本は大人が読むものだけではない!
ということで少々強引かもしれませんが、なつめが一年ほど前からはまっている絵本についてもこれから書いていこうと思います。
で、私が大人(?)になってから買った最初の絵本は新美南吉の『手ぶくろを買いに』。
小学校の教科書にも載ってるし、かなり有名なので知ってる人も多いはず。

初めての冬を迎えた子狐の手がしもやけにならないように、
母狐は夜、子狐に町へ手ぶくろを買いに行かせます。
片方だけ人間の手に変え、その手を差し出すんだよと言って。
子狐はおそるおそる町へ向かったのですが…

子狐は間違えて狐の方の手を差し出しちゃんうですよね。
でも店のおじさんは、子狐を捕まえようとせず、手ぶくろを売ってあげる。
黒井健の絵がすごくやわらかくて話と合ってて、
私の大好きな絵本の一つです。

ただ、いろいろと考えさせられるポイントが
含まれてるな、と今読むと感じます。
人間のおじさんが子狐に危害を加えなかったのは、
おそらく子狐が持ってた銅貨が本物だったから。
たとえ相手が狐だろうと、売買の契約が成立して、もうけになるから。
この、狐にも手ぶくろを売る、という行為は必ずしもおじさんの、
動物に対する思いやりだけで成り立ったものではないんですね。
って、この考え方ゆがんでるかな??大人になってしまった証拠?
でも、この「本物の銅貨」は、この物語が「ただの人間と動物のいい話」に
終始していない大事な要素のように思うんです。
もし銅貨が本物じゃなかったらすぐ追い払ってたかもしれない。
場合によっては戸の隙間から蹴飛ばしたかもしれない。
でも、もしかしたら本物じゃなくても手ぶくろをあげたかもしれない。
人間の、動物に対する態度ってキレイごとでは済まされなくて、
それを考えさせられる物語なんだと思います。

ちなみに、私が大好きな部分は、
実は子狐が手ぶくろを買った後のシーンなんです。
小さい頃はとくに気に留めてなかったのに、
今は何度読んでもぐっときてしまいます。

昔読んだ本をたまに手に取ってみると、なつかしかったり
新しい発見があったりと、いい再会だったりします。
この本ももしよかったら本屋で立ち読みでもしてみてください。
5分もあれば読めちゃうので。
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by sumi0313 | 2004-05-30 19:28 | ほんよみ | Comments(2)

人は…

一応ことばをテーマにしてるblogなので、
少しことばについても書こうかなと思います。
ちょっと前に、夏目漱石が好きとかそんなことを言いましたが、
たまたまいいことばがたくさん載ってるサイトに行き着いた時、
彼のことばが載ってました。
見た瞬間、胸にどどーんと迫るものがありました。

「馬は走る。花は咲く。人は書く。自分自身になりたいが為に。」

コレだ、と思ったんです。
今までことばを書いてきて、これからも書いていきたいと思ってるのは、
そしてことばを書くことに楽しさや喜びを感じるのは
私がこれを通して私を表わしたいっていう一つの手段だからなんだって
改めて感じたんです。
で、一瞬で私の座右の銘になりました。
夏目漱石のどの本(もしくは手紙)に書かれているか
わからないのがちょっと残念…

でも思うのは、「人は…」の部分は人によって違うし、
私はたまたま書くことが好きだからどどーんときたけど、
例えば「人は泳ぐ」とかに変えちゃって応用しても全然いいんだろうな。
大事なのは、自分自身になるために何か具体的なことをやることだよね
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by sumi0313 | 2004-05-26 23:33 | ことばさがし | Comments(2)

長い長いロシアの一日

まだ『カラマーゾフの兄弟』が読み終わらないっ
ようやく、半分きたとこでしょうか。文庫4冊って長いよ。
しかも600ページくらい読んだのに、
物語の中の時間は2、3日しか経ってない。
数日間少しずつ読んで、「あれ、まだ一日終ってない?」ってかんじで、
物語の時間が実際の時間にどんどん追い越されていくって
そんな小説そうそうないよね

一行で十年経ったり、
何千行で一日がようやく終わったり。
文字の世界の凄いところだと思います。

で、なんで一日がそんなに長いかというと、
もう登場人物みんなしゃべるしゃべる。
一人で1、2ページ分、平気で語りっぱなしってこともしばしば。
普通の会話から考えるとちょっと異常なくらい。
でもそれが自然に成り立ってるんだよなー 不思議だな

同じロシア文学でも、もう一人の文豪トルストイは
どんな文章なんでしょうね?
昔『戦争と平和』読もうとして挫折したからなあ…
また今度トライしてみようかな。その前にコレ完読しなきゃだけど。
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by sumi0313 | 2004-05-26 01:11 | ほんよみ | Comments(2)

かえる

新宿を歩いていたら かえるに会った

手のひらに乗るような大きさの だいだいやピンクや白
タオル地のまんまるなかえるたちがガラスケースにつまってた
なんのことはない 私は一目でかえるに恋に落ちた
となりの人は 私が恋に落ちたのを一瞬で悟って
かえる捕りを名乗り出てくれた

数々の苦難を乗り越え 時に救援を得つつ
数刻後 私の左右の掌には二匹のかえる

一匹はかえるを捕ってくれたとなりの人にさしあげる
また次会う時はこのかえるも連れて行くからと言ったら
不思議そうな声を上げた

だってねえ たまには二匹いっしょにいるのもいいと思うわ
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by sumi0313 | 2004-05-25 15:37 | ことばづくり | Comments(0)

電車と水

一見、何の関係もなさそな二つですよね。
でもいいですよ、電車と水。
イナカ育ちの私は、大学に入って東京来てから
いっぱい電車乗るようになりました。
当初は山手線、なんて都会っぽい響きに胸をときめかせてました
今は山手線沿いに住んでるんだけどねぇ。

で、いろいろ電車乗ってて、時々河に遭遇します。
総武線に並行してる隅田川とかもいいんですが、
特に電車で横切る広い河がお気に入り。東横線の多摩川とかね。
ダタンダタンって音がちょっと大きくなって、で、鉄橋だなと思うんです。
今まで建物でひしめきあってたのが一瞬ひらける。
思ったより空が大きく見えて、その下に河がある。
ただそれだけなのに、どうしてかこころがやわらぐんです。

天気の良い日は河川敷で子どもが遊んでたり、
雨の日はちょっとさびしげだけど、でも相変わらず河はのんびりしてて。
一日が終わってちょっと疲れてる時も、電車の音と振動、
それからまっくろな河の水面がつやつやしてるのが見えて、
不思議と落ち着く自分がいます。

まだ電車乗ってて海とか湖に遭遇したことはほとんどないけど
(ちょっと遠出しなくちゃいけないよね)
きっと出会うのが海でも湖でも、水であれば…となんとなく思います。

いいですよ、電車と水の一瞬の出会いの景色。
でも、たまに居眠りしちゃって見過ごしたりもしてます

どこかオススメの河スポットとかあったら教えてくださいー☆
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by sumi0313 | 2004-05-25 00:48 | ひびおもう | Comments(0)

名前

夏目漱石が好きなんです。
だからといって著書全部読んだとか、そこまででもないんだけど。
でも、なんかこう…好きなんですね。
彼はいろんな事をすごくよく考える人なんだなあと私は勝手に思ってます。
んで、やっぱ頭もかなりいいらしい。
漱石の脳みその断片なんかは、まだどっかに保存されてるって
話も聞いたことがあります。それはちょっとこわいけど。
でも人間的な弱さもある部分、すごく持ってるというか。たぶん
なんとなく、本も、それから人も魅力を感じるんです
で、ここでの名前をなつめにしたわけですね。
そのまんまです。

でも、このblog作る時に、登録したIDがそのまま出ちゃうとはつゆ知らず
しっかり本名が毎記事出てるんだね。ちょっとかなしい。
でも自分の名前も好きなんだけどね。
とりあえず、これからも一応なつめ、でがんばってきたいと思います。
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by sumi0313 | 2004-05-24 03:38 | ひびおもう | Comments(2)

外は曇

四角い窓が切り抜く空は
一面の淡いグレイ
いつの頃だったか
今の今まで青空だったのに
少しづつ雲がかかるようになり
やがてすっかり埋め尽くされた
そして 一日だけ雨が降った

あの真暗な
真黒な空

あの日はいつまでも土砂降りが続いた
大声を上げて空は雨を降らしていた
朝 雨は止んだが
相も変わらず空は灰色をしている

いつまで続くのだろうか
この空模様
私は一斤のパンと
オレンジ・ママレイドを買い
この空の下を歩く
空は映す 歩く私を 私の内を
鏡のように

灰色の雲天井は いつまで経っても
ちらとも動かず
ただじっと耐えていた
今にも爆発して無限の雨滴をこぼしてしまいそうで
あふれくる思いをぐい と押さえ付けて
今日も耐えて 空は曇
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by sumi0313 | 2004-05-23 00:57 | ことばづくり | Comments(0)

映画の後の現実

今日(日付ではもう昨日ですが)、テレビで映画見てました。
「プライベート・ライアン」の前編。
けっこう見た人もいるのかな?
前からちょっと気になってたんですが、
というのもタイトルからはあまり想像できない
かなりキツイ戦争映画だって周りから聞いてたので。
pivateって兵士って意味らしいんですよね、
原題は"Saving Private Ryan"(ライアンのつづりがあやしい…)
だから、原題の方がわかりやすいような気もするけど

で、見たらほんとにキツかった。
人がどんどん撃たれて、頭が割れて、足がもげて…
いままでいくつか戦争映画や映像は見たけど、
これがいちばんキツイ描写だったような気がする。
でも、これと同じ(もしくはそれ以上の)光景が、今この瞬間も起きていて。
映画見終わった後、ニュースでイラクの空爆とか誤爆とか、
現実できっちりフィードバックされてくる。
な ん だ ろ ?
世界中で戦争をテーマにした映画とか、小説とか、写真集とか
いっぱい出てるのに、どうして続いてるのか。
そうしたものが生まれるのは、決して戦争をうながすためじゃないのに。
政治とか宗教とか経済とか、世界はすごくこんがらがってて
これは自分じゃ到底扱いきれないテーマだけど、
扱いきれないからって投げだしちゃいけないテーマだなと
改めて思いました。
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by sumi0313 | 2004-05-21 03:08 | えいが | Comments(0)
最近ほんよみコーナーばっかりですけど。
でもこの本のこともぜひ書いておきたくて。
藤田一咲(ふじた いっさく)さんの『ハッセルブラッドの時間』。
なんで今回だけ「さん」づけかというと、一つの縁でちょっこり
お会いしたことがあったんです☆

この本はフリーカメラマンの藤田さんが、
いちばんのお気に入りのカメラ「ハッセルブラッド」と一緒に、
「極上の時間」を過ごすことをテーマに書かれたエッセイ。
藤田さんはハッセルブラッドが大好きで、
ハッセルブラッドでじっくり写真をとるこの時というのを
こよなく愛してるっていうのがじんわり伝わってくる。
スウェーデン製の、歴史ある名カメラだそうで
(世界中でプロに使われてる!)、
ちょっとごつくてかわいい黒のボディと、真四角なフィルムが特徴。
まあ、ハッセルブラッドに関してはこのエッセイに
詳しく、愛情たっぷりに描かれているので読んでくださいね。

私は文を書くのが好きで、何書こうとかいろいろ考えながら
書いているその時間が大好きで、
ツールは違えど、これも一つの「極上の時間」なのかも。って思いました。
でもこのエッセイを読んだら、私もなんか写真とりたくなってきた…!
私もこういうふうに、読む人を自然に魅了できちゃう文章
書けるようになりたいなぁ
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by sumi0313 | 2004-05-20 03:00 | ほんよみ | Comments(2)

痛みと青春

カラマーゾフと並行して、読みました。
というか、立ち読みしました(本屋さんごめんなさい)。
金原ひとみの『蛇にピアス』。

あらすじ→
主人公のルイが、知り合った男(アマ)のスプリットタン(先が二つに
割れた蛇の舌みたいなの)を真似しようとする。
スプリットタンにするために、舌ピアスを開けにいった店で、
タトゥーを派手に入れた店主のシバに会う。
ルイは「自分もスミ入れたい」と言って…あとは読んでね

描かれてる世界は、舌ピアスとかタトゥーとか暴力とかセックスとか
そういうのがあふれていて、
自分が今いる世界とはだいぶ違かった。
でも、共感できる部分も確かにあって。
舌に太いピアスを無理やりはめ込むルイの衝動、その種(たね)は
誰の心にでもあるんじゃないかなあ、と感じてしまった(私だけ?)
乱暴さも、空虚さも、快楽も、かなしみも、
全部ひっくるめてごちゃまぜになって、
で、そのごちゃまぜの中にちらっと若さが見えるような話だと思う。
現代の青春小説って言うほど甘くないし、軽くないけど、
…でも、そんな匂いもちょっとする。それがちょっと救いなのかな。

芥川賞にふさわしいとかどうとか、えらそうなことは言えないけど、
一つの物語が何かしらの意味を帯びて完結する、というのは
同じ年代としてすごいなあ、ととりあえず思う。
なつめも負けてられませんっ
綿矢りさの『蹴りたい背中』もそのうち読んでみようっと。
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by sumi0313 | 2004-05-19 03:25 | ほんよみ | Comments(0)