言葉を伝える練習帳。


by sumi
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【短歌】2016年 春

春の雨心定まらぬこの身撃つ
それがどうした、濡れるくらい

知らぬ道で可憐な黄色「カロライナジャスミン」胸にしまう花の名

千切りのキャベツのなぐさめるようなやさしいみどりふと目にしみる

春になりてコンクリートの隙間から蕾生まれし場所選ばずに

足早に通りすぎたる朱鷺色の季節惜しまず花弁降る夜

心中のエントロピーの増大を知りつつも打ち遣りし、今日も

きらきらと軌跡遺してなめくじの命尽きたる坂の途中で

風光るいつかの春に去りし人の教えてくれたニール・ヤング聞く

さきさきと水菜の茎を噛む音はがらんどうの体内に響き

堪えがたく風やわらかき真昼間に涙落として次の日は雨

「ありがとう」を免罪符にして誰かまた自分の欲望押し通すのでしょう

オリーブの実を結ぶこと無いと知るつぼみつけども花咲かせども

いつもなら一人で走る帰り道を二人で歩く
自転車は降りて

いっときの甘味あじわう夜明け前降らむとす雨よ今しばらくは

風呂上がり髪乾かしていたらこの身に沸き上がる退廃、の文字

一枚の幻灯のようなおぼろ月
総てが作り物に思う真夜中

みずっぽい醤油の海に漂える豆腐のかけら休日も終わり

しあわせのため息ついて本能は夜の深間に生まれて消える
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by sumi0313 | 2017-01-16 16:17 | ことばづくり