【短歌】2016年 秋
2017年 02月 01日
あさり食(は)み はからずもじゃり、と噛み締めて
彼の郷里の海の香を知る
天気図に暦に街に胸中に台風重ね空高まりつ
今はまだきらきらと日々生きてゆく力足りずに自転車を漕ぐ
なに一つ思うままならずわたくしの髪も口も心も子宮も
ことだまのわが胸中に入り込みあたたかく占むる猫のごとくに
かくも水を含んだ空気はやさしくて
もやけぶる夜にいだかれ帰る
近づくと離れゆくとは星月や波や振り子や人のことわり
くたびれた水晶体を透過する月は確かに綺麗だけれど
生きるとは他者を殺して生きること
かまきり轢きて何を今さら
むくつけき生きもの抱いていたずらに酒を遣る遣るやりきれなくて
彼の郷里の海の香を知る
天気図に暦に街に胸中に台風重ね空高まりつ
今はまだきらきらと日々生きてゆく力足りずに自転車を漕ぐ
なに一つ思うままならずわたくしの髪も口も心も子宮も
ことだまのわが胸中に入り込みあたたかく占むる猫のごとくに
かくも水を含んだ空気はやさしくて
もやけぶる夜にいだかれ帰る
近づくと離れゆくとは星月や波や振り子や人のことわり
くたびれた水晶体を透過する月は確かに綺麗だけれど
生きるとは他者を殺して生きること
かまきり轢きて何を今さら
むくつけき生きもの抱いていたずらに酒を遣る遣るやりきれなくて
by sumi0313
| 2017-02-01 16:25
| ことばづくり